スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

家出娘の奮闘記 #2

ククリアに移住してきて数日が経ちました。今、気になる人がいます。
スポンサーサイト

続きを読む

はじまりの詩

「ケイトや…こちらへおいで」

弱々しい祖父の声。蒼くなった唇。
大事な人なのに、今にも壊れそうで怖くて近づけない。

「ケイト…儂はもうお迎えがきたようじゃ。お前の、側にいてやれない…」

「や、やだ! おじいちゃんがいなくなったら、私本当に1人になっちゃう! お願いだから、そんな弱気にならないで…」

私と、もっと一緒にいてよ…。

「ケイト。儂は、いつだってお前の側にいるさ。お前の父さん母さんもな。だから、つよ…く、生きていけ。」

お前なら、大丈夫だよ。
そう、柔らかい笑顔を残して私の最愛の家族は安らかな眠りについた。



私は幼い頃に国の内乱で両親を亡くした。その後、ひっそりと山奥で工芸を営む祖父に引き取られ二人暮らしをしていた。

山の暮らしは厳しかったけれど、祖父は魚の捕り方や食べられる草や果物、危険なものから身を守る術などを教えてくれてなんとか山の暮らしに順応していった。

祖父は普段は優しい人だったが仕事になると人が変わったかのような厳しさを持つ人で、私が興味本位に作品や土に触れようとすると、よく雷をおとされたっけ。

あの頃の私にとってはおじいちゃんが世界の全てで、これから先もずっとおじいちゃんのお手伝いをしながら密やかに生きていくんだろうと子供心にぼんやり思っていると、おじいちゃんはお前の好きに生きなさいとよく説教混じりに私を諭した。

「お前が見るもの、聴くもの、手に触れるもの全てがお前の一部になる。そうして得たものの中から自分の進む道が見えてくるだろう。

だから、大人になったら山を出て、いろんなモノに触れてこい。

異国を旅するっていうのもいいもんだぞ。儂は、それでお前のばぁさんに出会ったんだ。」

あいつは、気は強いがいい女だった、なんてたまに惚気たりして。

「それとな、東の果てには黄金に輝く塔が聳え立つ国もあるというぞ。いつか、行ってみるといい。きっとお前の肥やしになる。」



そんな話を聴いたのは、いつのことだったか。



祖父の亡骸を丁重に葬り、ぼんやりと空を見つめながら彼の国に想いを馳せていた。

「黄金の塔、か…。そこに行けば何か見えてくるものがあるんだろうか。」

たった1人の肉親を亡くして、空っぽな私の心を満たしてくれる何か。

その何かを見つけたくて、私はこの土地を離れて生きていくことを決意した。

最近Twitterに投下したイラスト

創作イラストをいくつかアップ♪(´ε` )

続きを読む

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。